NewsWonder Drill株式会社 医療音声認識モデル「コエレクボイス」の中間成果を発表

2026/09/14(Mon)

Wonder Drill株式会社 医療音声認識モデル「コエレクボイス」の中間成果を発表

日本語の医療音声を対象とした独自評価で、短文CER 2.79%、長文CER 4.36%を記録

Wonder Drill株式会社は、日本語・医療分野向け音声認識モデル「コエレクボイス(Koereq Voice)」の開発において、現時点の評価基準となるモデル longmix_v2_seed42 を中間確定モデルとして位置付け、その評価結果をお知らせします。

コエレクボイスは、医療従事者の口述や申し送りなどの文字起こしを支援することを目的とした音声認識モデルです。NVIDIAの音声基盤モデル「Parakeet TDT-CTC 0.6B-ja」を基に、医療音声による追加学習と医療用語に対応した認識処理を組み合わせて開発しています。入力は日本語音声、出力は日本語テキストです。

中間確定モデルの評価結果

学習話者から分離した独自評価セットで、以下の結果を記録しました。

評価セット

発話数・話者数

文字誤り率(CER)

医療用語の認識漏れ率(TermMiss)

医療短文 P2

155発話・5話者

2.79%

6.17%

医療長文 P3-multi

80発話・3話者

4.36%

9.28%

CERは文字の置換・削除・挿入を参照文の文字数に対して集計した指標です。TermMissは評価対象の医療用語が正しく認識されなかった割合を示します。どちらも数値が小さいほど良い結果です。用語の評価対象は、短文で延べ308出現、長文で延べ851出現です。

数値は、seed42の音響モデルに医療言語モデルなどを組み合わせた最終認識構成の結果です。限定された独自評価セットでの結果であり、実際の診療環境やすべての話者・端末で同等の性能を示すものではありません。

音声を端末内・院内で扱うことを目指して

コエレクボイスは、音声を外部クラウドへ送信せず、端末内または院内の環境で処理する設計を重視しています。モデル規模は基盤モデルの公称値で約6億パラメータ(0.6B)です。端末向けの低精度化・量子化による小型化についても検証を進めています。小型版の評価結果は、今回の中間確定モデルの結果とは区別して扱います。

これは、現行のクラウド型医療音声AIに匹敵する性能で、スマホ一つ、一般的なPCで動作することを目指して開発しております。

現在、コエレクボイスの外部提供は行っていません。今回の発表は開発上の中間成果に関するもので、モデルの配布やサービス提供の開始を告知するものではありません。

今後の取り組みと音声提供へのご協力

今後は、協力者による音声データの拡充、さまざまな話者・利用環境での評価、端末上での実行検証を進めます。認識結果を人が確認する文字起こし補助として、医療現場での利用に向けた検証を継続します。

医療音声認識の開発を支える音声提供へのご協力も引き続き受け付けています。

開発:Wonder Drill株式会社